『disc collection』No.31 アフレコCD〜図書館〜
主人公の声は自分で吹きこみまよう、というプライズ景品用CD。
このシナリオはジャケット裏に書いてあるので、そっくりそのまま転載になりますが…

閣下と図書館でデート出来てお役にまで立てちゃう夢のようなCDです(^^*


●図書館内

紐緒「これでもない…うーん、これでもないわ」

○○「そっちはどう? 紐緒さん」

紐緒「ちょっと見あたらないわね」

○○「あっ、この本は?」

紐緒「どれ? ああ、これ。『クローンの歴史』ね」

○○「どう?」

紐緒「この本、ずーっと前に読んだわ」

○○「えっ、そうなの?」

紐緒「ええ。錬金術とかホムンクルスについていろいろ書いて
   あったわ。でも、私が今欲しいのは現代の技術であって、
   中世の歴史じゃないから」


○○「技術か…あっ、だったらこの本なんじゃないかな」

紐緒「『クローン技術の現場から 最新版』?」

○○「欲しいのは技術なんでしょ?」

紐緒「この本もダメだわ」

○○「どうして? 最新版だよ」

紐緒「こんなの、全然最新版じゃないわ。生殖細胞からのクロー
   ンなんてひと昔前の技術よ。羊頭狗肉もいいところだわ」


○○「羊頭狗肉って…」

紐緒「よくあるのよ。題名は仰々しいのに中身はチープっていう
   のが。私が欲しいのは体細胞から作るクローンなの。さら
   にいうなら血清飢餓培養と・・・」


○○「電気刺激?」

紐緒「えっ、どうして知ってるの?」

○○「いや、今この本を見つけて」

紐緒「『体細胞クローン 血清飢餓培養と電気刺激』」

○○「まさに紐緒さんが欲しがってた本じゃない」

紐緒「…なぜこんな本があるのよ。まだ英語論文しかないはず
   なのに」


○○「本があって良かった。それじゃあ…」

紐緒「もう帰っちゃうの!? だったら探す本がまだ他に…」

○○「いや、別に帰るつもりは…」

紐緒「えっ」

○○「朝からずっと本を探しているからさ。紐緒さん、疲れてない?」

紐緒「いえ、私は別に」

○○「そうなの? いや、ちょっとお茶でも飲みに行こうかなって…」

紐緒「じゃあ、行きましょう」

○○「でも紐緒さん、さっき探す本があるって・・・」

紐緒「言ってないわ」

○○「言ってたよ」

紐緒「もう、本なんてどうでもいいのよ」

○○「どうでもいいって…」

紐緒「いいから。ここの近くにアップルタルトの店があるのよ。
   ちょうどいい機会だわ。あなたに正しい甘酸っぱさを教え
   てあげるわ」


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